- Webディレクターが使えなくて困ってます
- ディレクターの決める仕様が曖昧で何度も変わって困る
- クライアントの要望をそのまま受けてきて困る
そんなディレクターいませんか?
そんなことを思って悶々としているWebデザイナー・エンジニアのあなたに送ります。ディレクター辛い。
僕は専業でWebデザイナーをやってきて、ディレクターに対して思うことが色々とありました。その後にその経験を生かして、自分でディレクションもできるように経験を積んできました。
実際に作る側を経験してきたからこそ、ディレクターと、デザイナー・エンジニアとのやりとりで大切なことがとてもよくわかります。
今回はそんなディレクター VS デザイナー・エンジニアがうまくコミュニケーションを取るために、よくある事例と問題点・解決策を考えてみます。
結論としては、相手のせいにせずに、解決策を考えるということが重要です。
- ディレクターとうまくコミュニケーションを取るための方法がわかる
- ディレクター側の問題点や気をつけるポイントが分かる
- デザイナー・エンジニア側に何ができるかを考える思考ができる
Webディレクターが使えないと思うシーンと解決策
よくある「ディレクター使えない」と思われるパターンです。
正直なところ、使えないかどうかは経験やその人のやる気によるところもありますので、一概になんとも言えないのと、運な側面もあります。
しかし、会社では一緒に働く人は選べないことの方が多いため、しっかりと原因と解決策を考えていくことが大切です。
納期とスケジュールがきつすぎる
納期が厳しすぎる案件だったり、非現実的なスケジュールを引いてくるディレクターです。
ディレクターの問題点
まず、納期が厳しい案件は、現実的なラインに落とし込むことが必要です。それができていないため、このような事態が起こります。
できる事として、たとえば
- 納期が短い分、やることを減らして工数を減らす
- 優先度の低いものを、公開後の二次開発として後回しにする
- 外注先に発注をする、人員を補充する
など、解決策はいくらでもあります。
それでも、こう言うディレクターがいます。
- 予算がない
- 人がいない
- 要件は減らせない
- 全部優先度が高い
こういったことを言ってしまうディレクターは、
- 工数がかかるものを、その工数分の予算で受注できていない
- 人員がいない、予算がないのにそれ以上の案件を取ってくる
- 優先度の優劣をつけられない、もしくはクライアントと交渉ができない
ということになり、そもそもそのディレクターの問題であることを露呈しますし、会社の問題であれば、単なるブラック企業であり、結果として会社も損をする案件になってしまいます。
デザイナー・エンジニアのできること
よくある原因としては、ディレクターがデザイナー・エンジニアの細かいタスクと工数を理解していないことが多くあります。
ディレクターがその点をわかっていない場合は、そもそもスケジュールを引く前に、デザイナー・エンジニアに確認してもらう、もしくはきちんと確認する場を設けることが必要です。
- 何にどのくらい時間がかかる
- この内容では終わらない、実際どのくらいかかる
- その期間でやるのであれば徹夜&土日出勤になるから難しい
など、きちんとタスクと工数を確認し、現実的なスケジュールを引くことが大切です。
もちろん、それぞれに社内での確認や修正、クライアント側での確認やそれに対する修正工数、再度提示するといったフローと工数を考慮することももちろん必要です。
どうしてもやらざるを得ない場合は、どのくらい残業や休日出勤をしないといけないのか、きちんと伝え、そのコストがきちんと出るのかを確認しましょう。
ちなみに、あり得ない状況が続くようであれば、上長に相談するなども必要です。
急に修正や変更を依頼される
急に修正や変更が降ってくることってありませんか?
例えば、一度作ったワイヤーフレームや仕様書などがあり、そこに抜け漏れがあると、デザイナーやエンジニアからすると、もともと予定していたもの以外に、後からやることが増えることになったりしますよね。
さらに、金曜日の帰る前に、月曜日の朝までやっておいて、という無茶苦茶な人がたまにいます。
ディレクターの問題点
まず、修正というものは、もともとスケジュール上に見積もっておくものであり、突然降ってくるものではありません。
デザイナーやエンジニア側も、いつ何のタスクをこなし、いつまでに終わらせるか、というスケジュールを立てて仕事をしています。複数案件を担当していたらなおさらです。
そこに、急にディレクターがやってきて、「あれ追加になったからやっておいて、今日中に」といった振り方をするのはあまりの暴挙です。
デザイナー・エンジニアのできること
まず、スケジュールにきちんと修正工数が見積もられているかを、スケジュールが決定する前に社内で確認しましょう。
次に、変更などの追加依頼についてですが、まず
そのタスクがどのくらい優先度が高く、期限はいつまでなのかを確認します。
急ぎのものであれば、対応せざるを得ないかもしれませんが、それが残業や土日出勤をしてまで急ぐ必要があるのかを確認します。
また、それを急ぎで対応することにより、もともと予定していたタスクや、他の案件の作業がストップする場合がありますよね。その場合は、代わりに他の物が送らさせられるのか、他の案件と調整できるのか、きちんと確認した上で作業に入りましょう。
突然の依頼に、自分が損をしないように、きちんと確認と調整をするのも仕事です。
スケジュール・期限が曖昧
急ぎの案件ではなくても、きちんとスケジュールが立てられていない案件だと、どんどん遅れて行ったり、タスクが漏れたりします。
ディレクターの問題点
タスクの細分化ができていない
もしくは作業工数の見積もりが甘い
きちんと進捗管理をしていない
のが原因です。
細分化ができていないと、人間なので作業を見落として、あとから慌ててやることになりかねません。
また、見積もりが甘いと、実際その時間数で終わらなかった結果、後ろの工数がどんどん遅れていきます。
またここが重要ですが、きちんと進捗管理ができていないと、それも遅れる原因となります。
- 何のタスクが終わっているのか
- 予定通りに進んでいるのか
- 何が遅れそうなのか
- 遅れてしまったらどうするか
きちんと定期的に確認をして対策を立てることが重要です。
デザイナー・エンジニアのできること
これも先ほどの件と同様に、最初にスケジュールを立てる際に、自分のタスクがきちんと網羅されているか、その工数で本当にできるのか、修正工数は盛り込まれているのか、などを確認しましょう。
また、自分のタスクは自分で進捗管理することはもちろん、もともとも工数よりも溢れそうな場合や、遅れそうな場合は、早い段階でディレクターや関連する人たちと相談をして対策を考えることが重要です。
進捗がなかなか共有されない
クライアントと話して決まったことがきちんと共有されない、されるのが遅い。といったことがあります。
ディレクターの問題点
制作や開発に影響するものは、決定したもの、変更になったもの、修正のフィードバック、などは関連するメンバーに速やかに伝えることが必要です。
忙しいのを理由にして後回しにすると、いろんな人のいろんなタスクが遅れていきます。
優先度の高いものは、人に振る必要のあるもの、であることは間違いありません。
自分で完結することは後回しにしましょう。
デザイナー・エンジニアのできること
- 修正のフィードバックがまだ来ないから、次の作業に入れない
- 素材のデータが今日まで来る予定なのにまだ来ないから作業ができない
- 仕様が今日決まるはずなのに、まだ未決のため作業できない
なんてことはありませんか?
本来は速やかにディレクターがメンバーに伝える必要がありますが、時間がかかる場合はこちらからどんどん直接確認しましょう。
Slackなどでコミュニケーションを取りやすい環境が整ってるとやりやすいですね。
また、クライアントとの打ち合わせで決まることであれば、先にこちらからその内容を確認するというのも手ですね。
何れにしてもわからないものは自分から確認することが重要で、その方が早いですし、毎回遅れるような人に対してはきちんと指摘をしましょう。
丸投げしてくる
なんでも丸投げしてくる人、いませんか? 例えば、
- デザインの修正をクライアントが言っていることをそのまま持ち帰ってくる
- クライアントからのフィードバックをチェックもせずに投げてくる
- それをなぜやるのか、なぜ変えるのかわからないものを投げてくる
こんなケースです。
ディレクターの問題点
まず丸投げは全てがNGです。
クライアントから送られてきたものは、たとえロゴデータだけであっても、
- きちんと揃っているか、足りているか
- 内容は問題ないか
- クライアントに再度確認することはないか
- デザイナー・エンジニアに投げる時に補足しておくことはないか
をきちんと確認する必要がありますし、
修正や変更であれば、
- 細かく確認することは他にないか
- それは本当にやる必要があるのか
- なぜやるのか
- この方が良いという別案はないか
というように、そのままクライアントの言っていることを受けるのではなく、本当にそうなのか、それがベストなのか、きちんと考えることが必要です。
特に、何か変えたり追加したりする場合は、見積もりやスケジュールにも影響しますので、その辺りも含めて妥当なのか、何がベストなのかを判断してクライアントと決めてくるのがディレクターの仕事です。
デザイナー・エンジニアのできること
丸投げされたら疑問はすべて質問返ししましょう。
また、次回からそうならないように伝えましょう。
- この辺りを毎回確認してもらえると助かる
- こう言った案の方が良いのでは
など、逆にこちらから提案をしたり、言い方に気をつけると効果的です。
他人は簡単に変えられませんので、自分自身が変わることが大切です。
仕様が決めきれていなくて後からどんどん出てくる
開発の仕様があとからどんどん増えていくことありませんか?
ディレクターの問題点
仕様もれがないか、これはかなり経験のあるディレクターでも、人間なので多少抜けもれがあることはありますが、それでも基本的にはそういったことがないように決めておくことが大切です。
制作・開発の案件でよくあることは、
- 表示パターンもれ
- エラー表示抜け
- 動きの指定もれ
などですね。特に、
- それが1つもない場合にはどうするか
- 要素のありなしのパターンがあるか、なくなった時にどうなるか
- 運用を考えて要素や文字数、表示数が考えられているか
などたくさんあります。特に、運用を考慮していないと、作ったあとに破綻して変更することになりかねません。
経験が必要な部分でもありますが、自分でもダブルチェックした上で、社内のメンバーでレビューをするなど、きちんと確認することが必要です。
デザイナー・エンジニアのできること
仕様ができた段階で、不足していることや確認したいことはないか、きちんとチェックをしておくことが重要です。
また、後から出てきたものに対して、既存のスケジュールでいけるのかどうか、きちんと確認した上で、そのタスクを追加することで
- スケジュールがどう変わるのか
- 急ぎなのか
- そもそも間に合うのか
- その分何が遅れてどう調整するか
などをしっかりと確認しておくことが必要です。
無駄にミーティングに連れていこうとする
デザイン・開発の議題になると、すぐにデザイナー・エンジニアをミーティングに連れて行こうとする人がいます。
ポイントは、無駄かどうかです。本当にそのミーティングに行く必要があるかどうか、を考える必要があります。
ディレクターの問題点
問題となるのは、本当にその打ち合わせが必要で、本当にその人員が必要なのか、ということです。
目的もなくミーティングする人や、意味なく大人数が参加しているミーティングがとても多いなと感じますが、要点は以下です。
- 本当にその人がその打ち合わせに必要なのか
- 何のために必要なのか
- どの議題でその人が何をする必要があるか
- その会議で検討すべきことは何か
- その会議で決定すべきことは何か
そのミーティングに行かなければ、往復の時間も含め、3・4時間もの時間を制作や開発に当てることができますよね。この時間はすごく大きいです。
例えば、ディレクターがデザインの説明をし、クライアントを説得できないのであれば、事前準備が足りないのが原因です。きちんと社内でそのデザインになった経緯を確認すれば話せます。あとは経験と、勉強あるのみです。
もちろん、同行してもらった方が良い場合もありますし、専門的すぎる話であれば、同行してもらう必要もありますが、そもそもすべての議題で参加する必要があるのか、その部分だけ出席で良いか、何ならSkypeでも良いのでは、など、無駄なことはないかを考える必要があります。
時間は重要です。
デザイナー・エンジニアのできること
何も考えずに「一緒に来て」という人に対しては、しっかりと目的や担当することを確認しましょう。
もしディレクターが説明するよりも、自分が同行して説明した方が良い場合は、自分から参加するというのもアリですね。
また、同行せずにディレクターが説明しにいくときは、きちんと事前に説明する内容を社内で共有・確認しておく必要があります。
依頼内容が曖昧すぎるうえに、余計な口を出してくる
例えばデザインの指摘で
「もっと派手にしたい」
「もっと明るい赤で」
のように曖昧な指示する人いませんか? これは単に詳細を確認・決定していないだけです。
ディレクターの問題点
この場合はデザインについてですが、デザインは様々な要素が一つになって印象が決まります。
デザインを作る前には、具体的にどういった印象にしたいのか、何は必須なのか、きちんとヒアリングをした上で、どういった方向性にするかを決めた上でデザイナーに振らなければなりません。
そこを素人目線で「ああして」「こうして」と言ったところで、おそらく中途半端になったり、どんどん微妙になっていったりするのが見えています。
デザイナーにINする前に、しっかりと詰めるところは詰め、クライアントの要望そのまま受けてこないことが重要です。
デザイナー・エンジニアのできること
指示が曖昧な場合は、そのまま作るのではなく、作る前に具体的な部分を細かく確認しなければなりません。曖昧なまま、曖昧に作ると、必ず後でやり直しになり、時間が無駄になることがほとんどです。
曖昧なものは、具体的に、すべて確認しましょう。
無駄なものを作らされる
作ったけど実際には使われなかった、なんてことありませんか?
たとえば、
すごく開発工数がかかったのに、実際の運用でその機能はあまり使われていない
なんてケースです。かなりやる気がなくなりますよね。
ディレクターの問題点
何か問題点や課題があり、それを解決するのが自分たちの仕事です。
しっかりとクライアントにヒアリングすることが必要です。
クライアントが希望していることは、
- どうやって実現するのか
- なぜやるのか
- 本当にその方法で良いのか
- もっと良い方法はないか
などをきちんと検討した上で、工数やスケジュールとも相談しながら、決定していく必要があります。
デザイナー・エンジニアのできること
ディレクターと提案前に議論をする。
ちなみに、自分の範疇ではないにも関わらず、こういった議論をできる人は少ないので、しっかりと自分の意見を持って議論できる人は重宝されます。
簡単にできると思っている
「そんなにかからないでしょ、今日までよろしく」
こんなことありませんか?
ディレクターの問題点
工数を理解していないのが問題です。デザイナーやディレクターに都度確認をしなくても、工数がだいたいわかるようになるにはある程度の経験が必要ですが、わからないのであればきちんと実際に作業をする人に確認をする必要があります。
納得ができない場合は、細かいタスクに分解したり、どの部分に時間がかかるのか、しっかりと確認する必要があります。一度経験すれば、次に同じようなことがあればそれに生かせます。
ちなみに自分でできることであれば想像しやすいので、デザインやプログラミング経験のある人や、ある程度理解しているディレクターは重宝されます。
デザイナー・エンジニアのできること
安易に受けないことです。きちんとかかる工数と、いつまでにできるのかを伝えましょう。
定時後にミーティング入れてくる
定時後に打ち合わせを入れてくる人が多いですね。
ディレクターの問題点
相手の時間を奪うことと、その時間に残業が発生することを認識することが必要です。
残業をさせてまでその打ち合わせをその時間にやることが本当に必要なのか、そしてもし必要な場合は、相手の都合を確認した上で、きちんとお願いをしなければなりません。
これできない人がすごく多いですが、とても重要です。
スケジュールに勝手に登録して抑えただけ、というのは最悪な例です。気をつけましょう。
デザイナー・エンジニアのできること
以前に、スケジュールに定時後はすべて予定を「帰宅」と埋めておいたことがありましたが、上から突っ込まれたことがあります。。ブラックですね。
- その打ち合わせが今急ぎで必要なのか
- 残業になるが良いのか
- こちらの都合があればしっかり伝える
きちんと確認・伝えることが重要です。
デザイナーやエンジニアを下に見ている、偉そう
こんな人いませんか? 結構このケース多いように思いますが、確実に嫌われます。
ディレクターの問題点
問題点は1つです。誰も偉くはないということです。
ディレクターはクライアントとやりとりするため、中心的で上に立っているイメージがありますが、プロジェクトメンバー全員がすべていてその仕事は成り立っています。
アシスタントでもバイトでも、すべての人がいてその仕事や案件が成り立っています。
誰が偉いでもなく、誰一人欠けてもプロジェクトは成立しません。
同じチームとして、みんなで協力し合わないといけません。
「◯◯さんの言うことだし無理してでも頑張ろう」
と思ってもらえるくらいのかっこいいディレクターになりましょう。
デザイナー・エンジニアのできること
すみません、対策はなかなか難しいですね。
自分の経験上、そのような偉そうな人からはみんな離れていきましたね。
まだまだあるのですが、今回はこの辺りで。