Web制作の案件でスケジュールはどうやって引いたらいいんだろう。具体的なスケジュールの立て方を教えて欲しい。またその進捗管理もどうやったら良いか知りたい。
そんな疑問に応えていきたいと思います。
- Web制作案件におけるスケジュールの立て方がわかる
- 引いたスケジュールをドキュメントに起こせる
- 簡単に作れるスプレッドシートのテンプレが使える
- スケジュールを立てた後の進捗管理の仕方がわかる
Web制作におけるスケジュール管理の目的
スケジュール管理の目的は以下です。
- タスクに漏れがないようにする
- 誰がどの担当なのかを明確にする
- 現在のステータスがわかるようにする
Web制作において、スケジュール管理はとても重要です。
公開日に間に合うようにサイト構築を進めるためには、正しくスケジュールを引き、そのスケジュールに沿って進行できするように管理することが必要になります。
スケジュールが曖昧だと、何のタスクがいつまで行わないといけないのかがあやふやになり、タスク漏れや全体の遅れにつながります。また、遅れた場合にどう遅れを取り戻すのか、どこで巻き返せるのか、何のスケジュールを再調整すれば良いのかがわからなくなります。
正しいスケジュールを引くことによって、これらを未然に防いで、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
ではどのようにスケジュールを引いていくのでしょうか。
Web制作におけるスケジュール作成の手順
ゴールを明確にする
全体のゴールは何であるか、を明確にします。
当たり前なのですが、プロジェクトのスケジュールを引く前に、目的は何で、そのために何をどこまでどのようにやるのか、が明確になっていないと、タスクを洗い出すこともできません。
そのため、まずはそういったゴールを明確にします。
コンサルから入って、問題を調査し、その後何をどのように作るかを決めていく場合もありますが、そのような大きな案件の場合は、フェーズごとに区切ってスケジュールを立てるのが良いかと思います。
タスクを大きく分解する
まず、スケジュールを立てるためには、何をする必要があるのか、を洗い出す必要があります。
今回は、WordPressを使用して10ページ程度の企業サイトを構築する、とします。大きなプロジェクトでも、考え方としては同じです。
大きく分けると以下のようになります。最初はかなりざっくりでOKですし、メモ帳に書く程度でOKです。
- ヒアリング
目的や概要の確認、制作範囲・内容の確認を行います。 - 設計
サイトの構造、ページの構成要素を決めます。 - デザイン制作
デザインのためのヒアリング、デザイン制作を行います。 - 開発
HTMLテンプレートの作成、WordPressへの組み込み、テストを行います。 - 公開準備・サイト運用
サイトを公開するにあたり、使い方のレクチャーやマニュアルの作成などを行います。 - コンテンツ登録・データ投入
サイトのコンテンツを入れていきます。 - 公開
ざっくりすぎますがこんな感じですね。
タスクをさらに細分化する
大きく分けることができたら、それぞれをさらに細分化していきます。
この細かいタスク分けがそもそもわからない、という場合は作業を行う人に必ず確認してください。
例えば、デザイン制作の部分は、以下のようになります。
- デザインヒアリング
- 基本デザイン案作成
- 展開デザイン作成
でもこれだとざっくりすぎて、お客さん確認と、修正、承認、が足りていません。
流れで書いていきます。
- デザインヒアリングシート作成
- デザインヒアリング
- 基本デザイン案作成(トップページ1案)
- クライアント確認
- 基本デザイン案修正
- クライアント再確認・確定
- 展開デザイン作成
- クライアント確認
- 展開デザイン修正
- クライアント確認・確定
こうなりますよね。
もっと言うと、調査は必要ですし、デザインコンセプトの作成などがある場合もあります。また、デザインは1ページで終わりではないので、(特に大きな案件の場合)
- 展開デザイン作成(カテゴリー4ページ)
- 展開デザイン作成(第3階層5ページ)
とさらに分けたほうが、いつまでにどのあたりのページが終わる、と目星がつきやすくなります。
さらに言うと、大企業相手だと、クライアントの担当者確認の後に、上長に確認をとってOKが出ないと次に進めない、なんてこともあるかもしれません。そうなるとスケジュールが1週間遅れたりしますよね。そんなことがないよう、クライアントに事前に確認してください。
タスクごとに詳細を確認する
タスクが洗い出せたら、次にそれぞれのタスクについて、誰が行い、何日かかるのか、を出します。特に、何日かかるか、工数は重要です。
例えば、あなたがディレクターだった場合、開発の細かい工数がわかりますか? 同じような案件に慣れてきたり、自分がある程度作れる人ならざっくりとはわかると思いますが、実際作業するのは開発者です。また、担当者によっては、他の案件と並行して作業をしていたりしますよね。
なので、自分の判断で決めずに、実際に作業を行ってくれる人に、どんな細かいタスクがあって、どういった順番で行なって、それぞれ大体どのくらいで余裕を持って終わるのか、を確認する必要があります。もちろんスケジュールが短い場合はこちらの要望も伝えて、急ぎでどのくらいで作れるのか相談してください。
デザインでも何でも同様で、他の人が作業を行うものは事前に確認・相談をした上で、スケジュールができた後もこれで問題ないかをきちんと再度確認するようにすることが大事です。
ミーティングの日を決める
プロジェクトを進めるにあたり、ミーティングをしてお客さんと詰めていきますよね。それが毎週の定例会議なのか、案件によるかと思いますが、その日程に合わせてここまでをその週に提示する、といったことになりますので、その日を基準に決めていけばOKです。
例えば、ミーティングが毎週月曜日であれば、1つのタスクが金曜に終わっていれば月曜日に出せますよね。
開始日と終了日を設定していく
タスクも担当者も期間も決まったら、それぞれスケジュールを引いていきます。
が、エクセルで毎回作成したりするのも面倒ですので、こちらでGoogleスプレッドシートのテンプレートを用意しました。日付入れるだけでガントチャートが作れて、多分便利なのでぜひ使ってください。
ここで重要なのは、タスクの前後関係を考えて入れる、ということです。
どういうことかというと、例えばデザインが終わらないとHTMLテンプレートは作れませんよね。でもデザインが決まってしまえば、その下の階層の展開デザインは2人デザイナーがいれば並行して同じ時期に2つの作業ができますよね。そういったことです。
Aという作業が終わらなければ、Bはできない。
CとDは同時に作業ができる。
これがわかればスケジュールを引けますよね。後はどんどんいれていきます。
さて、いれたところで、よくある問題が発生する場合があります。
- スケジュールが終わらない
- スケジュールがきつすぎる
これについては、どこかの期間を短くするか、何かのタスクを削るか、土日も働くかしかありません。まずできることとしては、クライアントの確認期間を短くして早くチェックしてもらう、などです。
ちなみに絶対無理!という場合はそもそものゴールまでの期日がおかしいわけで、上長やクライアント相談です。(それでもダメな場合はブラック企業です)
そうならないように、余裕を持ったスケジュールにしたいですね。
出来上がるとこんな感じになります。
Web制作におけるスケジュール管理の方法
スケジュールができたら、それぞれのタスクについてきちんと進んでいるのか、進捗を常に確認して、把握しておくことが重要です。スケジュールシートに進捗率を入れられるようにしていますが、これだと入れるのは大変かもしれませんので、その場合は別のツールやサービスを利用しましょう。
オススメは無料で使えるTrello(カードを動かしながらタスクを視覚的に管理できます)、日本製だとJooto、企業や大規模なプロジェクトであれば、Backlog, JIRA, Redmineなどでしょうか。
以上です、スケジュールをきちんと立ててスムーズに仕事を終わらせられるよう頑張りましょう!それでは!