- 1,000万円の売り上げで税金はいくら取られるかを知りたい
- 1,000万円の売り上げで税金を抑えるにはどうしたら良いか知りたい
そんな疑問に答えます。
フリーランスをやっていると、毎年2月から3月に自分で確定申告をしなければなりません。
その所得に応じて税金が取られますが、会社員と違って、あとから税金の請求が来るものも多いため、自分でその金額を管理しておく必要があります。
今回は、1,000万円を売り上げた場合(所得金額ではありません)、次年度にそれぞれの税金がどのくらい取られるかを実際の金額を元にあげてみます。
また前提条件として、自分の仕事はWeb制作のため、経費は以下くらいしかかかっていません。
- 事務所家賃
- 交際費
- 交通費
- 通信費(インターネット・携帯電話・Adobeなどソフトウェア代、など)
- 書籍代
所得から控除される金額は、
- ふるさと納税:15万円くらい
- 確定拠出年金:34万円
確定拠出年金は限度額の68,000円を支払っていましたが、申し込み手続きに時間がかかってしまったため、合計金額としては5ヶ月分です。
他には、
医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・扶養控除・基礎控除
をつけています。
このように税額は売上金額だけでは決まらず、経費や所得控除できる金額によっても人それぞれ異なりますが、参考になればと思います。
フリーランスが売上1,000万円で支払う税金の種類
支払う税金の種類も人によっても異なりますが、今回支払う税金の種類は以下です。
- 所得税及び復興特別所得税
- 住民税
- 国民健康保険税
- 国民年金保険料
- 予定納税
ちなみに売上が1000万円を超えてしまうと、消費税も取られます。(ちなみに今回例であげている年は売上999万円でしたので取られません。だいぶギリギリでした。)
また、業種や働き方によっては「個人事業税」(都道府県に支払う税金)もかかりますので注意してくださいね。
1. 所得税及び復興特別所得税
所得税は個人の所得に対してかかる税金で、所得から所得控除を差し引いた、残りの課税所得に税率を掛けた金額が所得税となります。2037年までは、復興特別所得税を所得税と併せて納付します。
納付は確定申告の提出期限と同じですが、振替納税を利用すると、振替日が4月中旬~下旬になります。
また、決済手数料がだいぶ高いのですが、クレジットカード決済も可能です。
所得税額 | 約490,000円 |
実際の所得税額は約68万円なのですが、そのうち19万円ほどは昨年に予定納税で納付済みでしたので、実際に支払った金額は約49万円になります。
2. 住民税
住民税は前年の所得によって変わってきます。
2〜3月に確定申告した内容を元に、6月までに納付書が届きます。
納期は6月・8月・10月・1月などの年4期となっていますが、支払い月は各市区町村によって異なります。
住民税額 | 約440,000円 |
ちなみに、住民税はふるさと納税を利用することで減らす(事前に払う)ことが可能ですので、利用しないと損です。
3. 国民健康保険税
国民健康保険も、前年の所得によって変わってきます。
前年の総所得額から、医療保険分(限度額54万円)+後期高齢者支援金分(限度額19万円)が年間国民健康保険税となります。
納付は1年間の保険税額を7月から翌年2月までの8回に分けて納付します。
国民健康保険税額 | 約589,000円 |
正直これが一番高いですね。8回分で割ると73,625円となりだいぶきついですね。(実際は1回目に端数を払うので1回目が少し高くなります。)
4. 国民年金保険料
国民年金は全員一律のため、平成30年度(2018年4月〜2019年3月)は月額16,340円です。
保険料は毎年度見直しがおこなわれるため、都度変わります。
年金保険額 | 約200,000円 |
平成29年度(2017年4月〜2018年3月)は16,490円でした。
5. 予定納税
これが忘れがちですが、所得税の予定納税とは、
その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付するという制度があります。この制度を予定納税といいます。
です。この前年の所得税額が15万円を超えた場合は、その金額の2/3を前払いしなければなりません。
納付期限は、第1期分が7月1日から31日まで、第2期分が11月1日から30日までです。
予定納税額 | 約450,000円 |
ちなみに予定納税は、予定納税基準額が15万円未満の場合は納付する必要はないため、今年の収入が減ったりする方は減額の申請を行うことができます。
6. 消費税
消費税は2年前の年間売上金額が1,000万円を超える場合のみ、納税する必要があります。また、合わせて消費税の課税事業者となり、申請が必要になります。
消費税額 | 0円 |
1,000万といえど、今回はギリギリ999万でしたので、消費税を支払う必要はありません。(もし1,000万円を超えた場合、2年後に支払い義務が発生します。)
フリーランスが売上1,000万円で支払う税金の合計金額
では実際に今年支払う金額の合計はどのようになるかというと、下記の表のようになりました。
所得税額 | 約490,000円 |
住民税額 | 約440,000円 |
国民健康保険税額 | 約589,000円 |
年金保険額 | 約200,000円 |
予定納税額 | 約450,000円 |
合計 | 約2,170,000円 |
予定納税も含まれていますが、実に20%以上も支払っていることに。
では、これをいつ支払うかをざっくりですがまとめてみると、こうなります。
合計 | 内訳 | |
2月 | 506,490円 | 所得税:490,000円 国民年金: 16,490円 |
3月 | 16,490円 | 国民年金: 16,490円 |
4月 | 16,490円 | 国民年金: 16,340円 |
5月 | 16,490円 | 国民年金: 16,340円 |
6月 | 126,340円 | 住民税(第1期) 110,000円 国民年金: 16,340円 |
7月 | 315,840円 | 予定納税 225,000円 国民健康保険:74,500円 国民年金: 16,340円 |
8月 | 199,840円 | 住民税(第2期) 110,000円 国民健康保険:73,500円 国民年金: 16,340円 |
9月 | 89,840円 | 国民年金: 16,340円 国民健康保険:73,500円 |
10月 | 199,840円 | 住民税(第3期) 110,000円 国民健康保険:73,500円 国民年金: 16,340円 |
11月 | 314,840円 | 予定納税 225,000円 国民健康保険:73,500円 国民年金: 16,340円 |
12月 | 199,840円 | 住民税(第4期) 110,000円 国民健康保険:73,500円 国民年金: 16,340円 |
1月 | 89,840円 | 国民健康保険:73,500円 国民年金: 16,340円 |
高いですね。。
個人的には、国民健康保険がすごく高いなあと思ってしまいます。ちなみに40歳を超えると、国民健康保険にプラスして、介護保険料というのが徴収されますのでさらに増えます。
なので、基本的なことですがフリーランスはこれらの納税スケジュールを把握し、その資金をきちんと残しておくことが重要です。
フリーランスが支払う税金を減らすには
今回は経費がそれほど多くなかったことや、確定拠出年金が半年分だったこともあり、税額がかなり高いのですが、他にも税金を減らす方法はたくさんありますので、以下の記事を参考にしてみてくださいね。